Blend—とける。まぜあう。調和する。
70年の歩みの中で事業もサービスも多様化し、
今では6つの事業会社を展開している大伸社グループ。
多様性…それは可能性そのものです。
1+1が10にも100にもなる。
性別、国籍、考え方…異質なもの同士が出会い、
それぞれの個性が化学反応を起こすことによって
私たちのイノベーションは生まれています。
過去から未来へブレンドを続ける、大伸社という可能性。
その現在進行形の姿を、ぜひご覧ください。
2022年3月10日、大伸社グループは創業70周年を迎えます。
人に歴史あり。企業に挿話あり。
お客様と一緒にページを重ねてきた70年のアルバムの中から今は昔、時に埋もれた大伸社の知られざるエピソードをご紹介します。
人に歴史あり。企業に挿話あり。
お客様と一緒にページを重ねてきた
70年のアルバムの中から今は昔、
時に埋もれた大伸社の
知られざるエピソードをご紹介します。
「大伸社印刷所」誕生
大伸社の誕生は1952年のこと。上平達輔が21歳で創業しました。戦後の急成長期にあった食品業界に着目し、創業当初は日本酒のラベルを手掛かりに食品パッケージのデザイン・印刷を主な仕事としていました。日本初の魚肉ソーセージブランドに、今ではお馴染みのオレンジ色を提案し、このデザインは市場で大成功を収め、やがて各種販促ツールを手がけるように。この出来事が、その後のマーケティング事業の足がかりとなりました。コミュニケーションを軸に事業内容を更新し続け常に新しい業界を開拓したのは、故郷川上村で祖父や叔父の一世風靡した杉檜種苗の全国通信販売で達輔がこの極端な盛衰を幼児体験で目の当たりにしたからです。
垂直統合型・社内一貫体制を確立
いくら技術がすぐれていても、印刷だけでは他社との差は出しにくい。これからはアイデアやコピー、デザインで勝負しなければならない。そう考えた達輔は、自社に制作専門のスタッフを増やすことを決めました。当時、そういった人材を社内にもつ会社はほとんどなく、創業者がいかに人を「大伸社品質」の根幹として重視していたかがうかがえます。1968年には、大阪市天王寺区空清に写真スタジオを併設した自社ビルが完成。この時から大伸社は従来の「印刷会社」の枠を越え、企画制作から印刷までの「社内一貫体制」を有する総合デザイン企業として成長していきます。
カタログのカタログ
カタログ販売が流通の新しい形態として定着しつつあった1980年代後半、大伸社は通販カタログの制作に進出。また、「カタログも店舗と同じで魅力あるものでなければならない」との考えにより、“カタログのカタログ”という打ち出しのもと、自社でまとめた独自のレポート「カタログ研究」を刊行しました。市場に流通する約300種類のカタログの中から代表的な30種類を選び、その商品構成やサービスからコピーやレイアウトに至るまで詳細に分析。「他社とひと味違ったものを作りたい」「消費動向をいち早くつかみたい」という企業から多くの引き合いがありました。
缶詰で会社案内！？
前例や既成の手段にとらわれることなく、可能性があればやってみるのが大伸社イズム。この年は、新卒者向けの会社案内に「缶詰スタイル」を採用、新聞などメディアでも取り上げられ、話題を集めました。フルーツ缶を模したパッケージには「安易な開缶はお避け下さい」という注意書き。開けると「缶を開けてくれたあなた」へのメッセージカードと会社案内、適性テスト、ボールペン、そしてなぜかインスタントコーヒーが入っているという趣向です。就職サイトなどはまだ存在しなかった当時、求人活動はDMが中心でしたが、従来の7〜8倍の回答がありました。ここに「他にはないもの」を考える大伸社の発想力が表れています。
Macintoshの導入、1990年代初頭、DTP（デスクトップパブリッシング）の国内黎明期において、当時唯一のプラットフォームとして注目を集めていたのがMacintosh（Mac）でした。当社ではこのMacを全国でもいち早く制作の現場に導入。その時のつながりからApple Japanとも協業関係を構築し、同社のウエブサイトのメディカル・エディションの企画・運営などを行っていました。また、当時DTPと並んでMac導入の需要が見込まれた市場に「メディカル」の領域があり（ドクターの学会プレゼン資料作成ツールとして）、当社が製薬会社様とのプロジェクトで企画制作を手掛けた「スライド作成マニュアル」は、医療業界で11万部の大ヒットとなり、業界へのMacの普及・浸透に一役買う形となりました。なお、95年頃からのインターネット普及以降は、科学雑誌『サイエンス』のタイアップを取り付けた企画で、医療従事者向けサイトのコンテンツを制作するなど、社外と積極的にコラボレーションし、知的価値の創出に取り組んできました。
社団法人国土緑化推進機構様との
社団法人（現・公益社団法人）国土緑化推進機構と共同で森の大切さを啓蒙するための教育用に映像と冊子を企画制作した「Our Forest」私たちの森は日本視聴覚教育協会主催の「1998年 優秀映像教材選奨 文部大臣賞」を受賞。
併せて「第13回マルチメディアグランプリ1998 パッケージ部門 ビジネス賞」も受賞しました。
「リアルプリント」開発
70年の歴史の中で、大伸社は様々な商品開発に取り組んできました。その一つが「リアルプリント」です。通常の印刷媒体では表現できない立体的なディテール（光沢、凹凸等）の再現を可能にしたオリジナル技術で、特許も取得。住宅・インテリア業界のサンプル帳への活用を想定して開発され、環境への意識の高まりのもと、業界でも注目を集めました。キャラクターグッズや製品の一部（手帳、出版、帳票など）に活用したいというお客様の声も多く、印刷の新しい可能性を拓きました。
ペルソナデザインの
2002年、大伸社のデザインリサーチ専門部門であったmct（当時は「m.c.t.」）が、アメリカのフォレスターリサーチ社から「ペルソナ」の手法を習得し、日本でいち早くペルソナデザインのサービスを開始。大和ハウス工業様の「EDDI’S House」（2005）のプロモーションをはじめ、少しずつ実績を重ねていくとともに、2007年には当社企画・監訳で同志社大学、東京藝術大学、三菱総研と協業で書籍『ペルソナ戦略』（ダイヤモンド社）を上梓。現在では日本国内でも一般的なマーケティングツールとなった「ペルソナ」ですが、当社ではその最初期から普及・浸透に貢献してきました。
Reco project
「Reco project」は環境負荷の少ない部材・家具を使って、働く環境をもう一度見直し、空間の心地よさや、個とチームの生産性の向上などを考えた新しいオフィス空間づくりとエコオフィスサプライを販売する共同プロジェクトにおいて企画・プロデュースを行いました。
「Reco project」で開発された「Recoワークテーブル」は社団法人インテリアデザイナー協会主催の2001年JID賞（インテリアプロダクト部門奨励賞）を受賞しました。
Bueno!BOOKS
「誰かの宝物になる一冊」を自分たちの手で―。「Bueno!BOOKS」は、2004年に大伸社が立ち上げたアートブックのパブリッシングブランドです。サーフィンやスノーボードといったネイチャースポーツとの関わりを特色とし、商業印刷について回る「大量生産・大量廃棄」への問題意識からスタートしました。「Bueno!BOOKS」の設立前夜、すでに大伸社の仕事は、ヒステリックグラマーのブランドブック、荒木経惟氏や森山大道氏の作品集など、アート性の高い分野でも徐々に実績を重ね、評価を獲得するようになっていました。そうした中で立ち上げた「Bueno!BOOKS」は、当社にとっては、自社のクオリティを世の中に証明する狙いをもった取り組みでもありました。この蓄積が、その後の当社の美術印刷分野への進出へとつながっていきます。
事業化にあたっては、宣伝や書店への配本に至るまでのすべてを自社で行い、独自に流通を開発。また、最初期の段階から海外での販売、国際アートイベントへの出品に乗り出し、日本国内を上回る反響を呼びました。「Bueno!BOOKS」はその後、ギャラリーやオンラインショップを開設。設立から20年近く経た現在も、多くの作家やファンの皆さんに支えられています。
美術印刷への進出
長年の商業印刷で培ってきた印刷技術と色再現のクオリティを、新たな市場開発に活かせないか。そうした考えから、2006年頃より当社では、高精細印刷を武器にした美術・芸術・文化に関連する市場への進出を計画していました。2007年には「LIVE PRINT TECHNOLOGIES」というコンセプトのもと、当社の印刷技術を結集したアプローチツールが完成。比叡山延暦寺の撮影協力を得て、重要文化財を被写体とした撮影を行った力作です。この冊子を携えたアプローチ活動が功を奏し、やがて兵庫県立美術館（朝日新聞社）「巨匠と出会う名画展」の図録・広報物制作の受注を皮切りに、東京国立近代美術館、奈良国立博物館など各地の有名美術館・博物館・出版社からも引き合いをいただくように。2014年には「LIVE」を継承した社名「株式会社ライブアートブックス」として事業会社化され、現在に至ります。
Thinglo −シングロ−
当社の企画編集により出版した書籍で、タイトルは「Think globally, act locally. Think locally, act globally.」（世界視野で考えてローカルに行動する / ローカルで考えて世界を相手に行動する）より。実力ある20〜30代の若手デザイナーたちの国境を越えた活動に注目し、気鋭の14組を紹介しています。国内の書店に並んだほか、世界への発信を意図して海外でも販売されました。様々な分野を越えて「デザイン」の可能性を探る本書は、デザインカンパニーを志向する当社として象徴的な取り組みの一つとなりました。
第2回AICA SHOP
東京大学の森川研究室の改築に伴い、利用者（学生）の観察調査～空間コンセプトデザイン～研究室ロゴデザイン～詳細設計～施工管理の一連のリニューアル業務をm.c.t.が手掛けました。その結果、アイカ工業株式会社主催の「第2回AICA SHOP DESIGN CONTEST」において、応募件数138件の中から、優秀賞を受賞しました。
東日本大震災復興支援プロジェクト
当社の有志社員と活動主旨に賛同してくださった企業様、写真家などのクリエーターたちがカレンダーの制作を通じ、そのカレンダーと収益金を東日本大震災で親を失くした子どもたちにお届けしているプロジェクトです。
ご協賛・ご購入いただきましたカレンダーの収益金を震災遺児の就学の夢を支援されている公益財団法人みちのく未来基金様および相馬市教育復興子育て基金様へお届けさせていただきました。
2011年の震災発生後より活動をスタートしたこのプロジェクトは10年を迎え、2021年3月時点で、カレンダー1,750部と収益金の12,567,096円を被災地の子どもたちに寄付することができました。
5社の事業会社設立
大伸社ディライト、大伸社コミュニケーションデザイン、mct、ライブアートブックス、DS&C
上町座
mctが開催していた企業様向けの会員制サロン。様々な組織や職務の壁を越えて一緒に学ぶことを目的として2014年に立ち上がり、「人間中心イノベーション」や「デザイン思考」をテーマにスクール（座学）やワークショップ、ゲストスピーカーによる講演といったコンテンツを提供してきました。その活動期間の中で数多くの企業様に参加いただき、講義後の懇親会も含めて異業種交流の場にもなっていました。その名称は、活動の拠点であった当時の大伸社2号館のあった地域、大阪の上町に由来しています。
VR・AR・MR・ホログラムのハイクオリティなVRを実際に体験できるスペースを社内にオープン。体験コンテンツとして、室内インテリアや医療機器のVRデモンストレーションのほか、VRゲームコンテンツなどをご用意。お客様の課題に対する、VRコンテンツ利用のアドバイスや最新のVRアプリケーションの紹介も実施しました。
A440様（公益財団法人ガールズケイリン様）のラ・ピスタ ビルボード広告 ARコンテンツの制作に参加しました。
ウィル・フォースと
「2021年度グッドデザイン賞」受賞子どものための建築本『はじめての建築01 大阪市中央公会堂』と建築公開イベント「生きた建築ミュージアムフェスティバル大阪」の取り組みが「2021年度グッドデザイン賞」を受賞、さらに審査委員会により特に高い評価を得た100件「グッドデザイン・ベスト100」に選出されました。
ライブアートブックスでは本書のデザイン・印刷に加え、2018年より「生きた建築ミュージアムフェスティバル大阪」の広報物・ガイドブックのデザイン・印刷を担当しています。
当社の取り組み領域であるマーケティングやコミュニケーション、
アート、デジタルなどのトークテーマで、当社役員または社員、
社外のキーパーソンが語り合い現在と未来を展望するコンテンツです。
SDGs・社会貢献をテーマに、感染症対策に留意した
新しいスタイルの福利厚生を実施する面白さを訴求。
各社員が興味のある分野を自由に体験し、発信していくコンテンツです。
各事業会社の取り組みも交えてご紹介します。
楠本祥子
杉原 雄太
阿部良介
丸山孝幸
横山由美
入江優花
丸塚真二
平野 健士郎
夏井香麻理
