時代や社会情勢の変化に伴い、大きく変化しているワークスタイル。
大伸社グループにおいても、事業会社ごとにさまざまな働き方を模索しています。
そこで、今回は各事業会社から5名の社員を招き、
「WORK」をテーマにした座談会を開催。
働き方の違いや共通の課題、
そして、女性目線でのキャリアパスについて意見を交わしました。
◆mct:2018年よりABW(Activity Based Working)を導入。全社員がフルリモートワークで働く。
◆大伸社コミュニケーションデザイン:2020年4月よりリモートワークを実施。
◆大伸社ディライト/DS&C:コロナ禍における緊急事態宣言以降、週2回のリモートワークを推奨。
リモートワークで実現した、“理想的な働き方”。
その一方で見えた、“コミュニケーションへの課題”。
内山)大伸社コミュニケーションデザインは、コロナ禍を受けて、働く場所も時間も自由で、週何回は出社しなければならないというルールもない働き方になりました。私自身も出社は週に1回するかしないか、というワークスタイルです。自分が思うように時間を使えるので、本当に働きやすい環境ですね。以前は保育園の行事が16時に入ると午後休を申請していましたが、今は16時まで働いてから行事に参加するというように、フレキシブルに働くことができています。この働き方になったおかげで、小林さんも復職することができました。
小林)そうなんです。10年前まで大伸社コミュニケーションデザインに勤めていたのですが、一度フリーランスとして独立しました。その後、三重県へ移住。でも、また誰かと一緒に働きたいなと思うようになったんです。そこで、フルリモートなどを条件として働ける会社がないかとSNSに投稿したら、大伸社コミュニケーションデザインの人が声をかけてくれました。それで、2021年4月から、三重県在住のまま、フルリモートワークという形で復職することに。リモートワークのおかげで、夏休みなどの長期休暇中は娘と一緒にご飯を食べられるので、とてもありがたい環境だなと思います。
夏井)大伸社ディライトはフルリモートではないのですが、現在週2回のリモートワークを推奨しています。リモートワークを始めて気付いたのですが、家で仕事をすると集中して作業ができるので業務効率が格段に上がりますね。
冨田)確かに私もリモートワークで仕事が効率化されるのを実感します。作業時間が短縮されるというだけでなく、業務フローを見直すきっかけにもなっているので、これまで気付かなかった無駄もどんどん削ぎ落とされている感じです。
小林)その一方で、リモートワークでの課題にも直面しています。ちょっとした雑談の時間など、社員同士のコミュニケーションに余白がないので、一緒に働いている人が、どんなキャラクターの人なのかよくわからないんです…。
夏井)私もそれは感じます。リモートワークになって思ったことは、今までいかに五感を通してマネージメントしていたかということです。例えばオフィスにいると、人が集まってごちゃごちゃしていたらトラブルかな?と思ったり、誰かとすれ違ったときに元気なさそうだな、という雰囲気が感じられます。
でも、リモートワークではそうした空気を察知するのは難しい…。小林さんが言うように、業務以外の情報がわからないというのは、私も同感です。
冨田)どうしてもメリット、デメリットはありますよね。世の中的にもリモートワークが当たり前になっていっているので、基本的には課題を解決しながら進めていくということになるのかなと思います。DS&Cでは、現在、週3日を限度にリモートワークを推奨。1日2時間の勤務という契約社員の方でも、リモートワークを行ってもらえる環境にしています。ただし、オフィスに出社している人が電話対応などの業務を担うなど、不公平感がどうしても出てしまう。だから、制度を作るのは簡単だけど、感情面へのフォローも必要ですね。
黒川)mctはコロナ禍以前からリモートワークを試験的に導入していて、やはりmct内でもコミュニケーション不足は課題となっていました。だから、私たちはSlackで雑談ができるスレッドを立てたり、ZOOMで雑談の時間を設けてコミュニケーションをとったりするようにしています。新入社員も増えているので、信頼関係を築くための時間を意図的に作っているんです。
夏井)あと、リモートワークがしやすい部署としづらい部署というのもありますよね。大伸社ディライトでいうと、ハイスペックなパソコンが必要なCGデザイナーや、紙の出力が必要な校正室、あと、カメラスタジオなどはリモートワークが難しいです。だから、午前は会社で仕事して、午後は家でリモートワークをするといったように、部署ごとの仕事に合わせたリモートワークを進めています。
内山)大伸社コミュニケーションデザインでも、リモートワークだと逆に効率が悪くなるという部署はあります。でも、東京はリモートワークせざるを得ない状況になってしまったので、業務で使用するパソコンを会社からそれぞれの自宅に送って、なるべく自宅でも仕事ができる環境を整えてもらいました。
黒川)mctは、どの部署においてもリモートワークが基本です。リサーチ会社なのでインタビューなどが業務にありますが、すべてZOOMで行っています。だから、私は産休後、まだ一度も会社に出社していませんが、問題なく働くことができています。
出産、育児、そして、親の介護…。
ライフステージが変化しても、キャリアを積み重ねられる環境とは。
小林)私の記憶が正しければ、大伸社で初めて産休や育休を取ったのは、夏井さんだったんじゃないでしょうか?
夏井)そうですね。ただ、正直なところ、当時は女性のキャリアを拓くといった思いで産休を取得したわけではありませんでした。妊娠が分かった時、会社としては辞めてほしいだうろなと思っていたんです。それで上長に話をしたら、「それじゃあ、いつから休みます?」という予想していなかった言葉が返ってきました。その上長は以前、大手企業に勤めていて、産休や育休の取得が当たり前だったそうです。おかげで、私は産休、育休を取ることができました。
小林)そうした夏井さんの姿を見ていたので、私も心置きなく産休、育休を取ることができました。夏井さんが前例を作ってくれたおかげです。(笑)内山さんも産休取っていますよね?
内山)そうですね。私の時はもうすでに先輩方の前例がたくさんあったので、参考にしながら産休、育休を取得しました。ただ、営業職で復帰するというパターンは、今までなかったかもしれません。営業職の方でも、復帰されるときには営業職を離れられていました。でも、私は営業職のままキャリアを積んでいきたいという思いがあったんです。そこで上司に相談すると、思いの外、快く受け入れてくれることに。実際、営業職のまま復帰し、半年後にはリーダー職に就けてもらいました。
黒川)実は私も夏井さんと同じように、妊娠が分かった時に会社を辞めないといけないかなと思っていました。というのも、私たちはインタビューなどで出張がとても多いので、
なかなか子育てとの両立が難しい会社です。でも、会社がリモートワークを進めたのと同時に、コロナ禍で世間的にもZOOMなどの会議が一般的になり、わざわざ出張しなくてもよい環境になりました。復帰できたのは、会社の制度と、世間のリモートワークへの理解が進んだおかげです。
夏井)私の経験上、女性のキャリアアップで一番悩ましいタイミングは、子どもが小学校に入学するタイミングですね。保育園とは違い、14時に帰宅するようになるので。だから、小学校の6年間はコロナ禍とは関係なく、職種を変えたり、時短勤務やリモートワークをうまく活用できる制度を作ったりしながら、その期間をより良い状態で切り抜けられる環境を作っていきたいと思います。その辺りは、私も経験者として寄り添っていきたいです。
冨田)女性はどうしても、人生が大きく変わるターニングポイントが多いかもしれません。仕事を続けたいのに、そのタイミングで辞めざるを得ないというのは、とてももったいない。
でもリモートワークが広がることで、夏井さんが言うように職種や働き方を変えたり、リモートワークで様子を見たりなど、選択肢が増えてきたと思います。今、話が出産や育児に焦点が当たっていますが、今後増えるであろう、親の介護においても同じことです。その時は部長クラスの上位者が対象となるケースが想定されます。その点においても、リモート化を進めるというのは、男女関係なくキャリアを積み重ねる上では不可欠なことです。個人の“働きたい”という気持ちを繋ぎ、実現できる環境を作るチャンスが、まさに今なのだと思います。まだまだ課題はありますが、大伸社グループの社員一人ひとりがより働きやすい環境をみんなで目指していきましょう。