2014年に、大伸社は業務の多様化に伴い
5つの事業会社(現在は6つ)に分社化しました。
大伸社ディライトは大阪、大伸社コミュニケーションデザイン(以下DCD)は東京を
拠点として各社の特色を活かしながら企業様の課題解決に取り組んでいます。
今回はディライトの代表取締役 池田と、DCDの代表取締役 一色が
両社の共創による展望を語り合いました。
池田 孝二
IKEDA KOJI
株式会社大伸社ディライト 代表取締役社長
株式会社大伸社 代表取締役CMO
大学卒業後に大手製薬会社でMRとして就職後、株式会社リクルートでプロモーション業務に従事。その後HR領域の知識とプロモーションスキルを活かして求人情報制作会社を起業するなかで、デザインとモノづくりを学びたいと考えて株式会社大伸社へ入社。分社化に伴いディライトの執行役員となり、2016年に代表取締役へ就任。
一色 俊慶
ISSHIKI TOSHINORI
株式会社大伸社コミュニケーションデザイン(DCD)
代表取締役CEO
株式会社大伸社 取締役
2001年に株式会社大伸社に入社。コピーライター、マーケティングプランナーを経て2020年に代表取締役へ就任。住宅設備や生産設備、医療機器メーカーなど、BtoB企業のブランディングからマーケティング戦略を統合的に支援。2022年「ブランディング入門」をDCDの金子さんと上梓。東洋経済オンラインにて同記事を連載。
分社化してそれぞれの得意分野ができたから
新しい共創ができる“いま”になった。
一色 俊慶)大伸社は2014年に分社化して、なんていうか、プロフェッショナルの会社に分かれたよね。そのぶん、この8年間は各社が個性を打ち出して独立していこうとする期間だったから、一緒に仕事をする機会が減っていたけど。最近はそれぞれの強みを生かしてまた一緒に良い仕事をしていこう!ってなっているのが嬉しいです。この70周年を機に、もっともっとその動きを広げていけたらいいね。
池田 孝二)大枠では同じ会社ですから、分社化の弊害を無くしていきたいですよね。一色さんはディライトの役員をされていたこともあるし、一色さんとなら、楽しいことがたくさんできると思っています。一緒にディライトの役員をしていたときは、時代に合わせた改革や世界経済の波で大変なことも多かったけど、何でも相談し合える間柄で、お互いに支えあえていたから。
一色)池田さんは営業畑だから営業の知識を教えてくれるし、僕はクリエイティブ視点で制作のことを伝えられて、バランスが良い。僕たちもそうだけど、ディライトは営業と制作の専門性がきちんと際立っているよね。営業は売る・伝える・広げる意識がすごく強くて馬力がある。制作は底力と粘り強さがあってクオリティが高い。営業と制作ってどうしても相容れないところが出てくるものだけど、お互いに話を聞いて協力しあえる、とても良い関係だなって。
池田)それは、マーケティング部を設置したときに、営業と制作をおなじチームにしたことが良かったのかもしれないです。お互いの動きがわかるから、尊敬しあうようになれた。ディライトの制作陣は、営業もできるんです。仕事をつくる大変さがわかっているから、自分で動くことができる。クリエイティブだけを売っている会社ではなくて「マーケティングを基本に、クリエイティブに落とし込む」会社だから、そのマインドはとっても大切です。
一色)営業が制作の苦労や手間を知ってくれることで、無理のないスムーズな進行にも繫がっているよね。じゃあ反対に、ディライトから見てDCDってどんなイメージなの?
池田)僕はDCDの役員をしたことがないから、会議の様子から感じることになってしまうけど…。東京というエリアならではというか、トレンドのメニュー化とか、ひらめきと行動が早いなと感じていました。大阪にいると、少し遅れてトレンドがやってくる気がする。大阪とはタイプの違う案件が多い印象です。
一色)東京は大阪のような撮影施設もないし、人員的なキャパシティにも制限があるから、そのなかでどうやって勝ち残っていくか?を考えていないと、仕事が生まれないの。強みを求められるからこそ、強みをつくるためにアンテナを張る。大阪の「CASOスタジオ」うらやましいなぁ。DCDも、いろんな業種のお客様にあわせて専門的なスタジオやカメラマンをアサインできるけど、戦略を考えながら、資産を最大価値化ができる楽しさがあるよね。
池田)CASOでのイベント開催やメニュー開発みたいな、自分たちで創る遊び心みたいなものは、東京は少ないかもしれないですね。大阪のほうが、そういうところは面白いかも。でも一色さんがDCDのCEOになったからね。もっと茶目っ気のある取り組みがこれから始まりますよ、きっと。
それで話は戻りますけど、DCDはデジタルが強い印象もあります。WEBディレクターのレベルも高いし、実際に案件も多いですよね。
一色)WEBチームができて15年くらいかな。実績がついてきたと思うよ。当時の印象では、関西のクライアントはカタログ重視が多くてWEB化が遅かったけど、ディライトもそのなかでは、始めるのが早かったんじゃない?
池田)そうですね。いまではほとんどのデザイナーが、WEBデザインもカバーできるようになっています。デザインが上手なだけでは立ちゆかないシーンが、どうしても出てきているので。SNS関連の支援サービスも軌道に乗りつつありますよ。
「マーケティング×空間デザイン×デジタル」
大伸社グループだからできる、チームとしての強み。
池田)最近、ディライトとDCDとで構想を練っているのは、空間領域の拡大ですよね。
一色)5年ほど前から展示会だけでなくオフィスデザインの案件も増えてきているから、できれば施工も一緒に請け負えたらいいなと感じていて。DCDだけでは難しいけど、グループ全体で動いたらできるんじゃないの?って。
池田)ディライトは空間デザイン領域強化のために、人材や体制を整えました。事例もいろいろとできています。今後は「マーケティング×空間」に特化していきたいんです。一般的な空間デザインだと、もっと得意だったり先進的な会社がたくさんあるから、うちならではのところで勝負していきたいと思っています。
一色)展示会でも、展示会の専門会社ってあるよね。施工やデザインがすごく巧みで。でも、マーケティング視点がある会社はあまりない。だから、来る前の施策と・来てもらったときの体験と・来た後のアフター施策と。それぞれにプロモーションを打てるところが、僕らの圧倒的な違いになるね。
池田)後発の会社にしては大型案件のプレゼンにも勝てているのは、そこの要素が大きいですよね。あとはデジタル領域も。要素をWEBに落とし込んで、来場者の情報をどういう風に活用するのか?っていうところまで、トータルで支援できる企画を土台にしているから。
一色)東京だと「半導体を創る機械」の展示会の事例があるんだけど。そこでは皆さんすごく大きな機械を搬入しているんですよ。搬入・施工・セッティング・搬出だけで数百万円かかったりして。従来の会社はそれが当たり前と思ってやっているけれど、僕らはそこに費用をかけるのであれば、VRを創りませんか?と提案しました。これまでは「機械を見てもらってこそ」そいう雰囲気でしたが、VRにすると本来入っていけないところに入っていけるので。機械を持ってこずに、半導体のボードの視点で機械の中を入っていくというVRコンテンツもつくりました。予想以上に集客があったし、データも取れて好評でした。
池田)マーケティング×空間デザイン×デジタルコンテンツの組み合わせで、大伸社ならではの提案ができたんですね。おもしろいですね、今後もまだまだ提案余地がありそう。
一色)同じことができる会社は他にもあるかも知れないけど、大伸社らしさって、クライアントの企業価値を高めましょうっていうところにあると思うんです。困り事を解決して、一緒に価値を創っていく。納品して終わり、やって終わり、ではなくて。クライアントの企業価値を高めるためには、展示会もカタログも、WEBもオフィスも、全部にひとつの軸を通さないと、ブランドや世界観がバラバラになってしまう。たとえ僕たちが全部のツールをつくっていなくても、ブランドに調和させてあげることを大前提とした企画ができるチームだから。
池田)昔でいう「価値の可視化」。クライアントの価値を、ユーザーにわかりやすく価値化してあげることができるチームですよね。それをどういうふうにユーザーへ伝えるか、プロモーションの部分も担える。そこがうちの強みだと再認識しました。
一色)うん。オール大伸社ならできる。空間関係だけじゃなくて、いろんな領域を一緒にやっていきたいですね。